
思えば僕が
久之浜へ何度も訪れるようになったのは
この
宝林寺(ほうりんじ)のしだれ桜がきっかけだったのだ。

2012年春、情報誌の記事を頼りにこの年も桜めぐりをしていた。
前年はもちろん震災でそれどころではなかったこともあり
無性に福島の桜を欲していたのを覚えている。

この桜を見たあと何気なく海岸方面へ行ってみて
愕然となってしまった…。
いわきへは以前の仕事でもよく来ていたので
よく知っているつもりだったし、
震災後も福島の情報は得るようにしていたにもかかわらず、
久之浜という地区がこんな状況だったとは1年経っても
まったく知らなかったのだ。
そんな自分に対してもショックでした。

今回の震災の甚大な津波の被害の中のごく一部なのかもしれないが、
この小さな町のこの地区だけでも多くの方が亡くなっていたのです。

この町のこれからの町づくりを見ていきたいというのもあるけれど、
日常に流され少しずつ風化してしまいそうな自分を取り戻すため、
これからの福島を考える気持ちの着地点という意味も込めて
継続して訪れることを決めたのです。


昭和38年の大火によってこの桜の幹も大半を失い、
瀕死の状態でしたが、樹木医の手当てもあって5年後に
奇跡的に開花、見事に再生し毎年花を咲かせるようになったそうです。


これが2年前、初めて見た状況。
このギザギザに削られた防波堤も衝撃的でした。

久之浜小学校の敷地内にある仮設の商店街
「浜風商店街」。
ここもその時何気なく寄ってみたのですが、
以降、必ず立ち寄るようになりました。情報収集もありますが、
もうすっかり顔なじみになった「からすや食堂」さんでの
美味しい食事が楽しみです。
※この2年間の経過は「いわき・久之浜」のカテゴリにあります。
昨年末からようやく町づくりが進み始めました。
福島県いわき市: <'14 APR>